お試しレッスン?

98/06/0298/06/0998/06/2398/07/14
ピアノでGO! ふくすけの「銀のフルート」
文:小杉圭子(ふくすけのガイド)

「ピアノ伴奏でフルートとヴォーカルのレパートリーを増やす」「オリジナル曲の完成」に挑戦する ふくすけとのレッスン模様を、ガイド(講師)からお届けします。
→ふくすけのプロフィール

レイのレッスンカルテ98/07/14 「本番前だから朝と夜、フルート吹いてるんですよ」

お店のカージナルテトラという熱帯魚がいっせいに死んでしまい、今日は休日出社だったという。お客さんの買った同じ魚も死んでしまった。生き残った魚たちにはいろいろ手を尽くしたというが、弱っているときに白点病を併発したりといった仕方ない事態もあるそうだ。ちょっと寂しい話だ。

そんなこんなで、ちょっとくたびれ気味のふくすけだったが、先週吹けなかったぶん、今週はフルートを毎日練習しているという。朝お店に行ってから8:30から9:30まで、夕刻人がはけてから1時間ほど、毎日二時間の練習だというから恐れ入った。それもそのはず、来週末はYAMAHAの発表会とライヴ&トークを連日控えているのである。

そなーれでは「練習しなければ音楽はできない」とはいわないが、それは「練習してもしかたない」という意味とは違う。弾きたいキモチと時間が一致すれば、それは演奏に必ず現れる。気合や時間が許すならば、練習が演奏に与える物は大きい。

演奏する曲は「時」。これには「THE TIME I WANNA SING」とガイドがタイトルを付けたが、タイトルを「時」と彼が言うのでどういう時かと尋ねたらふくすけいわく「うーんオレが吹きたい時、ですか、ね」と(また意味不明)のことだったので、直訳したまでだ。英語だとなんだか格好がつく。


レイのレッスンカルテ98/06/23 「えっえっ、マジ?まず個人練習させてください」

先週は旅行に行っていたためお休みだったふくすけ。今日はお友達のいけやんと一緒に現れた。 いけやんはアコースティックギターのケースをきっちり持参していて、ガイドびっくり。高校時代からの友達で、ギターを弾くそうだが、照れ屋なのかなかなかケースを開けようとしない。 楽器持ってきておいて弾かずに帰るのもつまらない。ふくすけとガイドはいけやんをなだめすかし説得し励まして、ようやくギターを持たせることに成功。ふくすけの曲「時」(仮題)を簡単なコードバッキングでなぞって弾いてもらうことになった。

いつもと異なる場所で楽器を弾くということに抵抗を覚える気持ちはよくわかる。 しかも初見だと、うまくいかない可能性はとても高いわけで、そんな冒険をするのはやっぱりどきどきする。 だが、「案ずるより生むがヘタ、ヘタでわるいか」という諺があるように(無い)、ヘタでもいいから弾いてしまうと思いのほかヘタだったり、それでも楽しかったりする発見があるものだ。

いけやんは、「いきなり合わせないで、まず個人練習を」とぶつぶつ言っていた。ガイド的に言うと、 ちょっと遊びでやるときにまずはいきなり合わせてテキトーにやるのが一番早いのだ。 全体の感覚がつかめないままに個人練習などを始めても時間ばかりかかり、あわせたときに結局つかみなおす羽目になる。必要があれば、その箇所でとめて、部分練習をすればいいのだ。
ただ、"個人練習"したいというのは、その人の「いきなりっておっかないなー」という気持ちをゆるめるための一種のおまじないだから、そういう時間は取ってみてもよい。

ピアノでコードを押さえながらざっと曲を見て、簡単なところだけまずいこうと方針を決め、 演奏をはじめると、いけやんはさくさくと弾き始めた。ふくすけも気を遣っているのがわかる。 ふくすけがオリジナル曲をガイド以外に演奏してもらっているのは、実は初めてなのだ。 いつかいけやんは身体でリズムをとりはじめていた。

「いい曲だね! でも"時"ってヘンな題だよ」「全く同感です」(いけやんとガイド談)

シラナイ人とちょっと楽器を合わせるとき、誰も最初に成功を期待するわけではない。 ただそこに出逢いがあり、曲の合間に一瞬でも共感がわくことがある。感動を共にできるフレーズがある。 それはほかでは得られない喜びだし、とても深い喜びだ。


レイのレッスンカルテ98/06/09 「あと20分やりたいんですけど」「えっ(ガイドびっくり)」

今日はしごとのことで大きなストレスがあったと冒頭で聴いていたので、疲れている様子だし50分で切り上げたほうがよさそうねと調整してレッスンを終えたところ、ふくすけはまだ居たいという。

「それなら歌にしましょうか、楽しいから」
「いいですね!」

フルートを置いてピアノの横に立つふくすけ。イーグルスの「デスペラード」、河村隆一の「LOVE IS」、ビリー・ジョエルで「オネスティ」ともう一曲。歌を歌うことは息を吸うことだ。そして吐ききることだ。生活にストレスが多いと、息を吸えず、吐けなくなっていることがある。次々と歌うふくすけの顔は、来たときより少し明るくなったようだった。

さて、レッスンが終わり、最近来るようになった別の生徒さんの話になる。
「その方はバイエルが好きで、バイエルの74番やりたいっておっしゃるのよ」
「バイエルなら俺やったことあります、ほらこれ」

ふくすけが見せてくれた「メヌエット」の楽譜にははっきりくっきり、かの音楽の父「J.S.バッハ」と作曲者名が記されている。

「ふくすけ、これバイエルの作った曲と違うわよ、バッハ作曲って書いてあるじゃない」
「えっ、でもバイエルの本に載ってたんですよ」
バイエルの作曲した教則本は日本ではたいへんポピュラーで、ピアノ初心者といえばバイエル本というカリキュラムがまかり通っている。ふくすけはバイエルを教則本の名前と思っていたのだが、あながち勘違いではないかもしれない。いくつもあるバイエル教則本の編集では、シューマンやチャイコフスキーの小曲も載せているものもあった。「バイエル」はもはや人名というよりはむしろ、一般名詞として独立してしまっているようだ。

余談に続く。
「はあ、そうですか、でもバイエルってもともとは、ウインナーですよね!?
「う、ういんなー?(ウィーンのこと言っているのだろうか?)」
バイエルウインナーとか、あるじゃないですか、食べ物で」

ああっふくすけ、その商品を言うならバイエルンで、ドイツの地名なのだ! 「バイエルン」と「バイエル」では、「フクオカ県」と「ふくすけ」くらい近くて遠いものなのだ。

「バイエルっていうのは作曲家のなまえなのよ。ベートーヴェンの先生だった人なの」
「へえーそうだったんですか」
レッスンでは、双方に、発見がある。


レイのレッスンカルテ98/06/02 「いやー音、出ないっすねー」

今日は日中、自転車で隣町のライバルペットショップを偵察に行ってきたというふくすけ。 いつもはここに来る前にフルートのレッスンがあるのだが、今日はお休みだったのだそうだ。
「はーはー言ってるじゃない、お水飲む?」
「あ、すいません(笑)」

今週はフルートをあまりふけなかったので高音が出にくい、とちょっと不満気。ふくすけの目下の課題は、7月のYAMAHAの発表会とそなーれライヴ&トークで演奏したいと思っているオリジナル曲の完成。楽譜に起こしておくと、後々になっても、またどんな人とでも演奏できるだろうということで演奏会に向けて仕上げている。ふくすけは楽譜を書かない人なので、この作業は、彼が天のことばのごとく旋律を吹き、それをガイドがありがたく記譜するという神のコトバ状態。フルートで奏でられないと歌ってくれるのだが、ふくすけ、キミはもっとしっかり音程とらんかい、もぐもぐ歌われてもなんだかわからんわっ(笑)! しかも今日比較的気が散りやすいふくすけは、ガイドが真剣に作業している間あっちむいたりこっちむいたり落着かない。まあこういう日もあるわね。そのうち、楽譜の書き方をやってみるのもおもしろいかもよ?

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