お試しレッスン?

98/12/0498/11/23
ピアノでGO! のこさんの「バイエルは矢野顕子」
文:綾瀬さやか(のこさんのガイド)

目指すは弾き語り。元気溌剌の初心者ピアニスト、
のこさんとのレッスン模様を、ガイド(講師)からお届けします。
→のこさんのプロフィール

のこさんレッスンカルテ98/12/04「昨日、矢野顕子のコンサートに行ったんですよ」

「昨日、矢野顕子のコンサートに行ったんですよー!さやかさんが弾いてたインストの曲も弾いてましたよ」
インストゥルメンタルとは楽器のみの曲ですが、毎回アレンジがぜんぜん違うんだそうです。 矢野さんってアレンジうまいですよね。
─と、コンサート話で盛り上がりつつ、レッスンが始まりました。 まずは前回挑 戦した伴奏部分のおさらい。 いやいや、のこさんったら。すらすら弾いてるではありませんか。 上達、早いですね。

●リズムを科学する〜音符の長さをゆっくり確認
リズムがちょっとややこしい箇所があります。音符や休符が複雑に組み合わさって出てきました。 まず用語を覚えれば、ガイドの説明も通じやすくなります。そこでちょっと楽典話。音符用語を紹介しましょう。

四分音符の半分の長さの音符を八分音符 その半分の長さの音符を、十六分音符 そのまた半分の長さの音符を、三十二分音符

と呼んでいます。(休符に関しても同じです)
数字がしちめんどくさく聴こえるかもしれませんが、「4拍子を基本とした場合に一小節を何分割しているか」がネーミングのルールなので単純ですね。
複雑なリズムの譜面を読むには、ゆっくり拍子をとってひとつひとつの音符や休符の長さを確認しながら、何度か繰り返してみるのがコツ。

●猫手論〜ピアノを弾きやすいフォーム
和音が弾きにくそうなのこさん、手が緊張しすぎのようです。 がちがちに力を入れると、指の位置が高くなり、手の甲が落ちちゃうんですね。 柔らかくじゃがいもを持つような形にしてみましょう。 手の力を抜いて、指だけで弾くのではなく腕全体で、体全部で弾きます。

「ピアノ弾く人ってみんな猫手ですよねっ」
そうそう、猫手ね。のこさん、うまいことを言うなあ。
「でも難しいですー。なんで?」
うーん。ピアノを弾き始めの頃って、これがうまくいかないんですよね。

椅子の位置は適切ですか? 前後に移動してベストスポットを発見しましょう。 肩の力を抜いてみて。でもだらんとせずに、ふわっとしゃきっと。

●和音を科学する〜和音を構成する音にはイミがある!
簡単な読譜テストをしてみます。ガイドがその場で書いた譜を初見で弾いてもらったところ、単旋律の楽譜はすらすらと弾けました。

とすると、課題は「和音が読みにくい」ということかな?矢野顕子の曲はシャープやフラットも多いし、一度に3つも4つも音を読むのはやっぱり大変ですよね。 慣れてくると、目が瞬時にとらえるようになりますが、実は和音の成り立ちにもルールがあります。

1.大概のポピュラー音楽や古典派のクラシック音楽では、和音(いわゆる「コード」)を基本に曲が成り立っています。
2.この和音というのはですね。重なっている音の間隔がほぼ決まっています。
3.例えば、和音の中でも主力といえる三和音(いわゆる「スリーコード」)。
4.これは3つの音が積み重なってできていますが、根音(いわゆる「ルート」)から数えて3度ずつ積み重なっているんです。
5.3度とは、その音から白鍵で数えて3つめの音との間隔ですね。
6.この音と音との間隔を「音程」と言います。和音を科学するなら、この音程のルールをつかむのがコツ。
7.例えばドミソの和音(いわゆる「Cのコード」)。 ドとミは3度、ミとソも三度、それが合わさってドミソ、つまり五度になっているわけです。
8.では、ソシレの和音(いわゆる「Gのコード」)は? ソとシは3度、シとレも三度、それが合わさってソシレ、やはり5度になっているわけですね。
「大体の和音は3度と5度が基本なんです。音程を考えて和音を弾くと、簡単ですよ」 「なるほどー」


のこさんレッスンカルテ98/11/23「ちょっとでも音を自分で奏でられるとhappyになれますよね」

のこさん&ガイド綾瀬@新宿御苑スタジオ、レッスン初日。
曲は矢野顕子の「New Song」。彼女の曲はピアノを駆使するので、初心者の方にはちょっと難しいかも。矢野さんといえば、あの坂本龍一の妻。なんですが、実は坂本教授の100倍ピアノがうまいらしい。矢野さんご本人が「あの人(坂本氏)、もっと練習すればいーのに」とつぶやいていたとか。

でも、好きこそもののなんとやら、ですね。のこさんは、何度も聴いた大好きな曲だからこそ、どんどん上達していくんですね。バイエルに勝つ矢野顕子。耳で覚えているから、歌いながら弾いていくと、音と指が一致する。人間の耳ってすごいですね。

「すいません、あんまり練習してなくて」といいつつ、前回挑戦した歌メロをぽつぽつ弾いてゆくのこさん。隣で左手を弾き、歌うガイド。左手付きのほうが「その気になる」んだそうです。

歌メロはけっこう出来てきたので、そろそろ伴奏譜にいってみましょうか、と提案してみると、のこさん大 喜び。そうですよね。伴奏を弾きたいもんね。そしていつか、歌いながら両手は伴奏を弾いてる、という図が脳裏に浮かびますよね。

●拍子を科学する〜曲のノリとノリの数をつかむ!
ライブで踊っているときやカラオケで手拍子を取るときなどに体が動いている、あれの正体が拍子です。

1.ひとつの曲はおおむね、一定した拍の繰り返しでできています。
2.この繰り返しを拍子(いわゆる「ビート」)といいます。
3.例えばこの曲の場合、楽譜の冒頭に6/8と記してあります。
4.これは8分の6拍子のノリなのよという意味です。
5.8分の6拍子ってのは八分音符が一小節に六つ分あるという意味ですね。

五線譜にはむやみやたらに音符がずらりと並んでいるわけではない、ということがわかるから、かえって理解の助けになります。

●音部記号を科学する〜音の高さの基準を示す
音部記号というのは、楽譜の段毎の冒頭に置いてある記号のことです。

1.ピアノの楽譜では、ト音記号(いわゆる「Gクレフ」)とヘ音記号(いわゆる「Fクレフ」)が縦に連結されて一組になっている場合が 多いですね。
2.ト音記号(「Gクレフ」)は、アルファベットのGを形取った記号です。下から二本めの五線に置いた音符を「ト音」(G)すなわちソであることを示しています。
3.ヘ音記号は、ト音記号で示せる音域より低い音域が読みやすいように使われています。アルファベットのFを形取った記号で、上から二本めの五線に置いた音符を「ヘ音」(F)すなわちファであることを示しています。
楽典(音楽上の規則や決めごと)を理解して弾くのと、勘で弾くのとでは大違い。わかった上で弾いていくと上達も早いです。

●ゆっくり弾いてみよう
伴奏譜のイントロはすでに弾けているので歌が入るところをやってみましょう。2小節続いてメロディになっています。複雑に美しい和音と、効果的にして美しいメロディですね。のこさん、和音に苦戦。勘でやろうとしているところもあり。面倒でもいちいち譜面を読んで弾いていきましょう。落ち着いてくりかえしていけば、大丈夫です。


なんとか弾けるようになってきたところでそろそろ時間も残り少なくなってきました。「じゃ、ここんとこを家でもう一回練習してみてくださいね。で、次回はその次に進みましょう」
ちょっと弾いてみてください、というリクエストにガイドもお応えして、ちらほらと曲を弾きつつ雑談。なごやかに1回めのレッスンが終了しました。


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